日本の糖尿病患者は、その可能性を否定できない人を含めると2,000万人を越えると言われており、その中には未治療の方が大変多くいらっしゃいます。未治療ということは、知らない間に糖尿病が進行していたり合併症を引き起こしてしまうことになります。
そこで今注目されているのが、糖尿病に対する運動療法です。その主な効果は、血糖コントロールだけでなく減量、筋萎縮と骨粗鬆症の予防、高血圧や心肺機能の改善、運動能力・QOLの向上などが上げられます。
ここでは、糖尿病治療の概要と運動療法の効果、主な理学療法検査、そして運動療法プログラムの考え方について詳しく解説しています。皆さんが治療の対象としている脳血管障害、運動器疾患、心疾患の患者さんの中にも糖尿病をもつ方が多くいらっしゃると思います。そのような患者さんに、糖代謝や脂質代謝などの内科的視点に配慮した治療プログラムを実践し、再発予防、生活の質の向上へとつなげてください。
■実技・解説
片田 圭一
石川県立中央病院リハビリテーション部
石川県理学療法士会会長
日本理学療法士協会暫定専門理学療法士(内部障害)
日本糖尿病療養指導士