よく聞く“守備が鍛えられている”というのは、決して捕ったり投げたりが上手だということではありません。守備というのは9人で行うものであり、この「連係」がうまくできるチームに与えられる褒め言葉です。捕球ミスや送球ミスはプロでも犯します。
しかし投手と内野の連係、内野と外野の連係を鍛えれば、ミスで広がった傷口を最小限に留めることができます。つまり無駄に与えてしまった得点を防ぐことができ、それによって接戦に持ち込むことができるのです。今作では、以上のようなことをコンセプトに、守備のリスク回避について解説していきます。捕球と送球に関する基本的な考え方を紹介したのち、「カバーリング」や「トレーラー」といった役割について実戦を通して解説します。これらは指導者として“指導が徹底されている”と見られるポイントでもあります。ベテラン監督でも見落としがちな“守備の裏”を見る目、選手のスキを見逃さない指導力を、ぜひ養っていきましょう。
まず捕り方、投げ方、カットマンの動きに関して紹介します。一般的に常識とされている動きとは一味違う視点に注目です。この技術をベースに、後半の投内連係(バント処理など)や2巻目の内外野の連係を行っていきます。