「教えて考えさせる授業」は、目標の明確な「習得型授業」の原則論として提案されたものです。
学習のメカニズムを踏まえたオーソドックスな授業展開であり、教師に名人芸的な技量がなくても、ある程度の学習効果が期待できます。さらに、課題や展開に工夫を凝らせば、感動的でかつ高度な授業にもなる可能性を秘めています。
「教えて考えさせる授業」の基本的な展開
Step1 教師からの説明 ⇒ その時間にはじめて学ぶような「基礎的・基本的学習事項」は、まず、教師から丁寧に解説します。
Step2 理解確認 ⇒ 教師から教わったことを子供がちゃんと理解できているか、子供同士の教え合い活動や説明活動を通して理解を確認します。
Step3 理解深化 ⇒ 教わったことを活用する課題の協同解決や討論を通して、さらなる理解の定着・深化をはかります。
Step4 自己評価 ⇒ その時間を振り返って、「わかったこと」「まだわからないこと」を表現し、自らの理解状態を自己評価させます。
この動画では、国語と算数の「教えて考えさせる授業」の事例を紹介します。
『国語』は5年生を対象にした「プレゼンテーション」の授業です。良いプレゼンのポイントをひと通り学んだ後に、グループでお互いに見合いながら練習していく様子を紹介します。
『算数』は3年生の「繰り上がりのあるかけ算の筆算」の授業です。よくある問題解決的な授業展開なら子供たちに筆算の仕方を発見させるところを、最初に教師から知識を与え、「筆算のまちがい探し」の課題を通してさらに理解を深めていきます。
1 教える-教師からの説明/プレゼンのポイントは
2 考えさせる-理解確認/見本のパネルでプレゼンの練習
3 考えさせる―理解深化/自分たちの選んだ言葉でプレゼンの練習
4 考えさせる―自己評価/本時の学習を振り返って
*授業の解説『国語』
(使用教材:朝日新聞2009年9月23日付朝刊一面記事/指導:市川 伸一)