佐藤久夫氏の考える最強のオフェンスとは、パッシングとドリブルドライブのミックスオフェンスです。
バスケットボールにおいて、体格的に劣るチームが相手を上回る結果を残すことは困難を極めます。パス回しやスピードを使って体格の不利を覆すことが理想ではありますが、型にはまった戦い方では、対策を取られやすいという難点があります。そこでひとつの解決策となるのが、「パスで相手をかく乱させて、楽な1on1をつくって攻める」という考え方です。相手の状況を見て、攻撃に変化を加えながら良いタイミング、良いポジション、有利な形の1on1に持ち込むことで、どんな相手でも崩して得点を奪うことができます。その攻撃に必要なパッシングとドライブの考え方を、本作では披露しています。
佐藤久夫氏がモーションオフェンスに取り組む理由は主に3つあります。
①適切な動きを取ることにより、確実にDefをかく乱できる
②状況に合わせて攻撃するのでDef側の対策が取りづらい
③バスケットボールの理解が大きく深まる
①と②に関しては上記でも説明したとおりですが、③について佐藤氏は「選手は複雑な選択を同時に求められることがある。そして、意外性を追求していくことで試合の度に新たな発見があるので、監督の指示に従うばかりでなく、選手自らがアイデアをひらめき、監督に進言するまでに成長することができる。」と話しています。選手も指導者もバスケットボールの理解力が深まり、成長につながるモーションオフェンスを、ぜひ導入してください。