近年、医療機関は在院期間短縮の流れにあり、リハビリテーション(理学療法)も効率よく行う必要性があります。
しかし、現状をみると根拠に基づいた理学療法サービスが十分提供されているとは言い難いのではないでしょうか?
例えば、運動器疾患の廃用性筋萎縮に対する筋力強化訓練法として、主に重錘負荷等によるトレーニングのみを実施している施設は少なくありません。しかしこれらの訓練により、ある程度筋力の回復が得られても、実際の動作、例えば股関節疾患患者であれば、歩行動作の異常の一つとしてTrendelenburg跛行や荷重時の関節・体幹の不安定性が残存し、動作障害が十分改善されていない症例をしばしば経験します。このことは単純に「筋力の回復」=「有効に活用しうる筋力の向上(筋の質的向上)」にはならないことを意味しています。そこで今、理学療法に必要なものは従来の量的な筋力増強訓練に加え、
別の質的な筋力向上を図る訓練プログラムを作成することであり、その筋の質的評価法の確立にあります。
そこで、本動画では表面筋電図を用いた、筋の質的評価の重要性と具体的治療アプローチについて紹介します。
■指導・解説:加藤 浩(九州看護福祉大学 看護福祉学部 リハビリテーション学科 理学療法専攻 教授/保健学博士/専門理学療法士(運動器・基礎)/認定理学療法士(運動器)
■実技:九州看護福祉大学 看護福祉学部 リハビリテーション学科 加藤研究室
■撮影協力:九州看護福祉大学