胸郭には、体幹の安定に関与する筋が多く付着しており、肋骨の偏位によってそれらの筋が機能低下すると、体幹は不安定になり、身体運動の調和が乱れます。 つまり、体幹機能を再建する上で、胸郭の機能評価は非常に重要であり、呼吸器を運動器として捉えた理学療法の展開は、体幹機能の再建築に良好に作用するものと考えられます。
ここでは、胸郭運動の特徴や運動器官としての胸郭の捉え方、そして胸郭と身体運動の関連性について解説します。さらに、胸郭の運動機能の再建方法について、その評価の視点と介入方法を実技でご紹介します。
胸郭形状や肋骨運動の変化は小さく、見逃しやすいものですが、その変化を的確に捉え、胸郭を操作することで、体幹機能に大きな変化が生じます。胸郭についての知識を深め、アプローチの方法を学びたいという方に是非ご覧いただきたい内容です。
■実技・解説
柿崎 藤泰(文京学院大学 保健医療技術学部理学療法学科 教授/医学博士/理学療法士)