全体像からのアプローチ“関係代名詞” ~日本語を見つめてわかる関係代名詞~
教えづらい、生徒の定着が困難とされている文法項目の指導法に特化した講義が「文法指導苦手克服シリーズ」としてスタート!
関係代名詞は中学校3年生から高校1年生の2年間をかけて少しずつ指導するというのが一般的です。
重要な文法項目である上に、概念としてはとても複雑なため、時間をかけてゆっくり教えたい…。しかし今回の授業は、そういった概念から思い切って離れて、関係代名詞のすべての格―【who】, 【which】, 【whose】, 【whom】 について一度に教えてしまおうという試みです。
関係代名詞を理解する上で不可欠なのは、日本語の助詞の理解です。まず、日本語の助詞の機能をできるだけ文法用語を避けて生徒に理解させ、関係代名詞についての説明をする前に、関係代名詞を含んだ文の意味を前から後ろへという自然な語順で読み取る訓練をします。この段階では生徒は関係代名詞を全く理解していませんが、英文の意味を確実に捉えることができる点にご注目ください。
このステップの後に、初めて関係代名詞の働きを導入しますが、どのような関係代名詞がどのような場合に用いられるのかを生徒が自ら発見していけるように指導します。英文を後ろから前に訳すとか、日本語の文を英語に直すという一般的な作業は、最終段階で軽く触れます。関係代名詞の全貌のイメージをまず生徒につかませるというマクロ的な指導法です。この後に繰り返し練習を行うことで、関係代名詞のより確実な定着が図れることでしょう。